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ドラッグ(薬物)を使用している人へ

2016年8月更新

危険ドラッグ/脱法ドラッグ(合法ハーブ・リキッド・パウダー・バスソルト・アロマなど)や覚せい剤をはじめさまざまなドラッグ(薬物)が流行していて、自分や自分の周囲の人にとって身近な課題だと思っている人も少なくないのではないかと思います。こうしたドラッグを使うことは少なからず健康へのリスクがあるとされています。さらに、依存性が高く、使用したらやめにくいのもドラッグの特徴のひとつと言われています。

また、最近ではドラッグへの規制もより強化され、危険ドラッグ/脱法ドラッグであっても、買ったり譲り受けたり所持したりしているだけでも刑罰の対象となっています。逮捕・拘留・社会生活の崩壊というのっぴきならない事態に発展するケースは少なくありません。かとい って、すでに使用している人が、多くを失うまで何の工夫もできないわけではありません。

絶対的な解決策ばかりではありませんが、ドラッグを使用している人のさまざまな状況や気持ちを念頭において、いくつかのポイントを整理してみました。役に立つことを願っています。

1.自分の状態をチェックしてみる

ドラッグ(薬物)を使用しているといっても、好奇心で一度だけ使ってみたという人もいるでしょうし、週末だけ使っている、セックスのときだけ使っている、常に使っていたいという人などさまざまです。また、自分では大丈夫と思っていても、使用頻度や、ドラッグがなくてはならないという気持ち、手に入れるためのリスクなどが、知らず知らずのうちに大きくなっていることがよくあります。まずは、いま自分がどのような状態なのか、「自分は病気ではない」と思っている人も、一度セルフチェックしてみましょう。

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NARCOTICS ANONYMOUS JAPAN (NAジャパン)によるセルフチェック

薬物使用により大きな問題を抱えた仲間同士の非営利的な集まりが作成したセルフチェック。「薬物使用の結果、職場や学校で何か支障をきたしたことがありますか?」「薬物の使用をやめたり、コントロールしようとしたことがありますか?」「薬物の使用によって睡眠や食事が妨げられますか?」「薬物なしで生活していくことは不可能だと感じますか?」「自分は薬物の問題を抱えているのかもと思いますか?」など、29の設問から成り立っている。いくつ以上○がつけば薬物依存かという診断をするわけではなく、一つひとつの設問から、自分が薬物依存かもしれないということに気づけるセルフチェックになっている。
http://najapan.org/amiaddict.html

ドラッグOKトーク(NPO法人アパリ)

090-4599-6444(水、金 12:00-18:00 休日を除く)
ドラッグを使うことがあったり、使わないことがあったりする人、そしてその友だちや恋人のためのホットライン。「警察に通報しない」「やめろと言わない」「お説教しない」をモットーにしている。
http://www.ok-talk.com/

 

2.依存症という病気について理解する

ドラッグ(薬物)を使用している多くの人が薬物依存症という治りにくい進行性の慢性疾患になります。いったんドラッグを使いだすともっと使いたくなり、使わないようにしようと自分では本気で思っていても、自分にいろいろな言い訳をして再び使いだしてしまいます。こうした自分の意思ではどうにもならない無力な状態に陥るのが薬物依存症の特徴で、この病気とは一生付き合うことになります。

道徳や法律の側面からドラッグのことを理解しているだけでは、病気としての薬物依存症については理解することができません。まずは、そのメカニズムについての情報に触れてみましょう。

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ポジティブなSEX LIFE ハンドブック(2015年3月発行)

HIV陽性者がセックスライフをどのように過ごしていったらいいかを考えるヒントを、いくつかのポイントに整理して書かれている冊子。Futures Japan ~HIV陽性者のためのウェブ調査~(第1回)の結果も一部紹介されている。(厚労科研「HIV感染症及びその合併症の課題を克服する研究班」)

 

第7章 「依存症・アディクション(嗜癖)」(P.37~P.41)には、依存症とは何か、依存症かもしれないと思ったらどうしたらいいかなどが書かれている。
http://www.haart-support.jp/pdf/h26_positive_sexlife_handbook.pdf

「This is hope」(2008年11月版)

薬物、アルコール、セックスなどの依存症とHIVについて、セクシュアル・マイノリティを対象にして作られた冊子。さまざな依存症当事者の手記、分かりやすい解説が掲載されている。
http://www.hiv-map.net/booklet/jump_pdf/thisishope.html

LASH -Love Life and Sexual Health-

主にゲイ・バイセクシュアル男性(MSM)を対象に、LOVEライフ、セクシュアルヘルス(性の健康)、メンタルヘルス(こころの健康、薬物使用など)に関する情報を発信している。薬物依存についてわかりやすく解説をしている動画メッセージ、データをもとにしたグラフと簡潔な解説、ニュースなども。(運営:厚生労働科学研究費補助金 エイズ対策政策研究事業「地域においてHIV陽性者と薬物使用者を支援する研究」研究代表者:樽井正義/研究分担者:生島嗣)
http://lash.online/

「身近な人から薬物使用について相談されたら」(2015年3月発行)

HIV陽性者を対象とした調査結果をもとに作られた、身近な人から薬物使用について相談を持ちかけられた場合、どうするのかを考えるきっかけになるパンフレット。薬物を使用しているHIV陽性者の状況や、その背景などについても書かれている。(厚労科研「地域においてHIV陽性者等の メンタルヘルスを支援する研究」代表:樽井正義)
http://www.chiiki-shien.jp/image/pdf/yakubutsushiyou_soudan.pdf

家族読本 (ご家族の薬物問題でお困りの方へ)

薬物依存症についてのわかりやすい解説、家族のすべきこと/すべきでないことが整理されている。実例紹介や、Q&Aなどが豊富。全国の支援団体(精神保健福祉センター、家族会、ダルク)のリストも収載。(全国薬物依存症者家族連合会、厚労省、両ホームページに収載/発行:厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課)
http://www.yakkaren.com/kazokumukedokuhonA4.pdf

薬物の乱用・依存・中毒の違い

誤解が多い「薬物乱用/有害な使用」、「薬物依存」、「薬物中毒(急性中毒と慢性中毒)」がそれぞれ異なる概念だということを、医療従事者向けだがわかりやすく説明している。[超理解 ! シリーズ Vol.14 No.3 2010年11月更新] (ノバルティス ファーマ株式会社)
http://phnet.novartis.co.jp/ricetta/syakaihoken/14-03/index.html

キーワードで探す → ドラッグ(薬物) 依存

 

3.HIVの治療とドラッグ(薬物)使用について知る

ドラッグ(薬物)を使用することで、HIVの服薬や通院がおろそかになったり、免疫力が下がってしまったりして、HIVの治療に失敗してしまうことがあります。また、セーファーセックスがしにくくなり、HIVや他の性感染症をうつしたりもらったりする可能性が高くなります。さらに、注射器を使用する場合は針を共用すると、HIVだけでなくB型肝炎・C型肝炎感染の原因となります。HIV&ドラッグ使用のさまざまな健康上のリスクについて考えて、現実的にリスクを減らす工夫をしてみるのも一案です。

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「グラフで見る Futures Japan 調査結果(第1回)」(2015年3月発行)

「Futures Japan ~ HIV陽性者のためのウェブ調査~」(第1回)の分析結果をもとに、目で見てわかりやすく、利用しや すいツールとして作成された冊子。HIV陽性者の生活、通院、セックス、アディクション(依存)、メンタルヘルス、人間関係など幅広い。

 

第6章「セクシュアル・ヘルス」(P.22~P.26)
第7章「アディクション(依存症・依存傾向)」(P.27~P.29)など
http://survey.futures-japan.jp/doc/Futures_page_v2.pdf

日常生活とセックスライフ(近畿ブロック HIV/AIDS先端医療開発センター)

食事や運動などの日常生活から、心のケア、ドラッグ、セックス、周囲への告知まで幅広くとりあげている。
http://www.onh.go.jp/khac/knowledge/sexlife.html

「あなたと、あなたのイイひとへ。」(2006年版)

HIV陽性が分かってからも、自分と自分の相手をお互いに守りながら生活やセックスを楽しむことができるようにと製作された冊子。感染経路、セーファーセックスのガイドライン、異性や男性同士のセックス、他の性感染症、日常生活についてなど、Q&Aとコラムで丁寧に説明している。 (編集・制作:大阪医療センター HIV/AIDS先端医療センター)
http://www.onh.go.jp/khac/data/anatato.pdf

「元気に過ごせる生活スタイル -免疫力を保つために日常生活でできること-」(2014年10月版)

日常生活の中で免疫力を維持するためにできることが書かれた冊子。ドラッグ(薬物)、禁煙、食生活の工夫、予防接種やペットを飼ううえでの注意事項など幅広い。免疫力が低下しているときに生活の中で注意すべき点についてもまとめられている。(提供:鳥居薬品株式会社)
http://torii-hiv.jp/patients/pdf/genki_seikatsu.pdf

「15人の語りで学ぶHIV陽性者と地域生活」

就労と精神健康(薬物使用)に関する事例を紹介している。事例をもとに、HIV 陽性者の生活を妨げているポイントや、より良い方向を探る方法を検討するための支援ツール。(発行協力:ぷれいす東京 研究事務局)
http://www.chiiki-shien.jp/image/pdf/katari.pdf

HIVお役立ちナビ(HIVマップ)

[こころのケア・薬物・アルコール]
http://www.hiv-map.net/navi/mental-care/

HIV/エイズガイド

[第7話 まだまだ奥が深い、HIV感染症とその周辺領域](HIVマップ)
http://www.hiv-map.net/guide/chapter_7.html

キーワードで探す → 性感染症(STD) 肝炎

 

4.セックスとドラッグ(薬物)について考えてみる

セックスのときにだけドラッグ(薬物)を使用する人もいるでしょう。ドラッグ(薬物)なしではセックスが楽しめないと思っている人もいるでしょう。嗜好する行為や、セックス・ファンタジーにドラッグ(薬物)使用が不可欠と考えている人もいるでしょう。あるいは、セックスをする相手、セックスをする場所、出会い方などにより、ドラッグ(薬物)使用をしやすい状況がもたらされている場合もあるかもしれません。自分のセックスとドラッグ(薬物)使用について自分自身で考えてみることで、その傾向がわかるかもしれません。

また、トリガー(ドラッグを使用する引き金となること)として、何があるのかを知っておくことも大切です。アルコールがトリガーになっている場合もあります。

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ポジティブなSEX LIFE ハンドブック(2015年3月発行)

HIV陽性者がセックスライフをどのように過ごしていったらいいかを考えるヒントを、いくつかのポイントに整理して書かれている。セックスの相手との関係/セーファーセックス/妊娠・出産/依存症・アディクション/医療機関でセックスの相談など。Futures Japan ~HIV陽性者のためのウェブ調査~(第1回)の結果も一部紹介されている。(厚労科研「HIV感染症及びその合併症の課題を克服する研究班」)
http://www.haart-support.jp/pdf/h26_positive_sexlife_handbook.pdf

Talking about SEX (日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス)

ゲイ・バイセクシュアル男性向けにセックスについて考えるプログラムを提供している。HIV陽性者限定のワークショップと、HIV陽性者限定でないトークショーがある。
http://www.janpplus.jp/project/talking_about_sex/

SCA (Sexual Compulsives Anonymous)

SCA(全ての性的指向を含む、性的強迫症から回復したいと願っているあらゆる人に対して開かれているミーティング)の解説とミーティング情報を紹介している。
http://www.sca-japan.org/

 

5.ドラッグ(薬物)をやめたいひとたちの匿名ミーティング

ドラッグの使用をやめようと思ったら、回復のための治療に取り組むのと同時に、同じようにドラッグをやめようとしている人同士が集まるミーティングに参加してみましょう。ひとりでは、薬物を使わない状態を保つのが難しくても、同じ立場同士で集まって経験や気持ちを共有することで、使わない状態を保ちやすくなります。また、回復の経験を共有することで、回復治療にどう取り組んだらいいのか、そのむずかしさをどう克服したのかなど、先に経験している仲間からアイデアをもらえることにもなります。

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NARCOTICS ANONYMOUS JAPAN (NAジャパン)

ナルコティクスアノニマス(薬物によって、大きな問題を抱えた仲間同士の非営利的な集まり)の解説とミーティング情報(NA日本全国ミーティング一[PDF])を紹介している。
東京、名古屋、京都などにはセクシャルマイノリティの薬物使用者のミーティングもある。ワーカーズグループ(木曜ミーティング:東京・四ツ谷)、新宿グループ(水曜ミーティング:東京・大久保)、新宿グループ(火曜ミーティング:東京・中野)、静岡ワンデー(第1月曜:静岡県・御殿場)、LGBT京都(最終の日曜日:京都)ではセクシャルマイノリティの薬物依存症本人のミーティング、Rainbowグループ(第3,4週土曜:名古屋)などではセクシャルマイノリティのオープンミーティング(薬物依存症本人以外の人も入場可)が行われている。
http://najapan.org/

ダルク (DARC) [全国薬物依存症者家族連合会HP内]

D(ドラッグ) A(アデイクション-嗜癖) R(リハビリテーション) C(センター)の略で、薬物から開放されるためのプログラムを持つ民間の薬物依存症リハビリ施設。全国のDARCの情報を紹介している。
http://www.yakkaren.com/zenkoku.html

キーワードで探す → 薬物(ドラッグ)

 

6.薬物依存症からの回復につながるための相談機関や窓口について

もしも、薬物使用について不安におもっていたり、悩んでいたりしたら、ひとりで抱え込まずに薬物の専門機関や保健所、電話相談などで相談をしてみましょう。通報されることが不安で相談をためらうひとがいますが、通報されることはありません。

薬物依存症は慢性の病気ですので、一人ではどうにもなりません。助けが必要となります。この病気には、「マトリックスモデル」、「12ステップ」、「認知行動療法」などの回復方法があります。どの方法で回復をしていったらいいのか、専門機関に相談してみましょう。

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アパリクリニック

ダルク(薬物問題に関する自助活動)スタッフとの恊働のもとに、既存の医療・司法システムの考え方にとらわれず、アディクションの予防・回復支援のプログラムを提供している。セクシュアル・マイノリティの対応もしている。
http://www.apariclinic.com/

RDデイケアセンター

アルコールや薬物、ギャンブル、買い物など、さまざまな依存症からの回復を目指している施設。依存症という問題を解決し、よりよい人生を生きていくための方法を学ぶ場所で、リカバリー・ダイナミクスというプログラムを導入し、依存症回復のプログラムとして高い効果が歴史的に証明されている「12のステップ」をわかりやすくしたものを提供している。
http://rd-daycare.icurus.jp/

ドラッグOKトーク(NPO法人アパリ)

090-4599-6444(水、金 12:00-18:00 休日を除く)
ドラッグを使うことがあったり、使わないことがあったりする人、そしてその友だちや恋人のためのホットライン。「警察に通報しない」「やめろと言わない」「お説教しない」をモットーにしている。
http://www.ok-talk.com/

Freedom(フリーダム)

薬物依存症は回復できる病で、薬物依存者には「処罰」ではなく「回復の権利」が保障されるべきとの考えのもとに活動をしているNPO。関西に様々な支援組織の立ち上げとネットワークをつくり、薬物依存者と家族に個別的支援を提供している。
http://www.freedom-osaka.jp/

薬物依存症に苦しむ人とその周りの人のための電話相談
06-6320-1196 (土 15:00-19:00 年末年始は除く)

アディクションに関するご相談 [LGBTと周囲の人のための相談一覧](QWRC)

薬物依存、アルコール依存、ギャンブル依存、摂食障害などのLGBTが電話相談や面談ができる関西地域の機関のリスト。
http://www.qwrc.org/soudan/soudan.html#01

全国の精神保健福祉センター情報(厚生労働省HP内)

「こころの健康相談」という相談を実施している各地の精神保健センターの一覧。
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/support/mhcenter.html

全国保健所一覧 (保健所長会HP内)

地域の保健所には、精神保健担当の保健師が必ずいる。精神の健康、地域の病院選びの相談ができる(セクシュアリティに関する理解には幅がある)。
http://www.phcd.jp/03/

全国薬物依存症者家族連合会

薬物依存症の家族への相談援助や、薬物依存症に対する正しい理解と健全な精神保健理念の普及・啓発を行っている。全国の家族会の情報や、新しく参加する人のための解説なども掲載されている。
http://www.yakkaren.com/zenkoku.html

キーワードで探す → 薬物(ドラッグ) 相談先リスト

電話相談

 

7.いますぐできることを試してみる

さまざまな刺激を受け、ストレスにさらされて過ごしている日々の中で、ドラッグ(薬物)を使用したい気持ちが、とても大きくなるピークがあると言われています。もしも、今日だけ、一時間だけ、一分間だけでも、ドラッグ(薬物)を使用しないで過ごしたいと思ったら、とりあえずそのピークをやり過ごす知恵を身につけておくと役に立つかもしれません。

例えば、空腹なとき(Hungry)、怒っているとき(Angry)、孤独なとき(Lonely)、疲れているとき(Tired)の頭文字をとって HALTと呼ばれている対処方法があります。空腹なときは何か食べて空腹を満たしてみる、怒りの感情に支配されていたら誰かに話したり受け入れる工夫をしてみたり、孤独を感じたら電話で話したりメールをしたり人と会ったりミーティングに出たりして孤独な感情をやわらげてみる、心身が疲れていたら休んだり睡眠を十分とったりお風呂につかったり深呼吸してみたりするといったことです。