第2回ウェブ調査実施中

Pick Up

妊娠・出産を考えている人へ

2017年4月掲載

子どもをもうけ、妊娠・出産、子育てをしたいと思っているHIV陽性者は、けっして少なくないのではないでしょうか。

HIV陽性であってもなくても、いまの時代に子どもを持つことに躊躇をする人はいるでしょうし、はじめての出産や子育てに不安を感じる人は多いでしょう。さらに、HIV陽性であることで配慮を必要とすることも加わります。それでも子どもを生み育てることに価値をおき実践している人たちが日本にもたくさんいます。

まずは情報を整理したり体験に触れたりして、ご自分(自分たち)の可能性を検討してみてはいかがでしょう。

1.妊娠・出産をしたHIV陽性者の体験に触れてみよう

HIV陽性者が、子どもをもうけ、妊娠・出産、子育てをしたいと考えた場合に、周囲の人たちの理解がどこまで必要なのか、実家やパートナーの実家にHIVについて言うのか言わないのか、子育てをするうえで考えておかなければならないことはあるのかなど、医学的なことだけではない広い範囲のリアルな情報があると安心です。

一般的な妊娠・出産、子育ての情報はインターネット上にもあふれていますし、同じ立場の人同士(例えば、妊婦同士、妊婦のパートナー同士)が実際に出会って情報交換や交流をする機会もたくさんあります。

しかし、HIV陽性者で同じような経験をしている人(しようと思っている人)同士が、情報交換や交流をする機会は決して多くはありません。だからこそ、情報や経験の共有の場であるミーティングは貴重です。全国にあるわけでありませんが、そういった機会を有効に活用してみるのも良いでしょう。

また、印刷物やインターネット上で体験談を読んでみるところから始めることもできます。それぞれの状況や価値観なども異なるため、書いた人の経験がそのままご自分にあてはまるというわけではありませんが、かけがえのないな体験からは、きっと何らかのヒントが得られることでしょう。

リンク先の表示/非表示

Living with HIV 身近な人からHIV陽性と伝えられたあなたへ

HIV陽性のパートナー、家族、友だち、職場の仲間とHIV陽性者による計24編の手記と、基礎知識やデータを取りまとめたコラムで構成されている。(制作:ぷれいす東京)

第7章「人生設計や将来のこと」
http://lwh.ptokyo.org/

「グラフで見る Futures Japan 調査結果(第1回)」(2015年3月発行)

「Futures Japan ~ HIV陽性者のためのウェブ調査~」(第1回)の分析結果をもとに、目で見てわかりやすく、利用しや すいツールとして作成された冊子。HIV陽性者の生活、通院、セックス、アディクション(依存)、メンタルヘルス、人間関係など幅広い。

 

第5章「暮らし・仕事・ライフプラン」(P.20 「子ども」など)
http://survey.futures-japan.jp/doc/Futures_page_v2.pdf

「HIV陽性者の生活を知る」(Futures Japan 2016年12月発行)

「Futures Japan ~HIV陽性者のためのウェブ調査~(第1回)」の結果からいくつかのテーマを選んで、HIV陽性者の視点で読み解いて紹介した冊子。1 通院と医療環境/2 健康と生活習慣/3 暮らし・ライフプラン /4 HIV陽性者と子ども /5 人間関係・ネットワーク/6 メンタルヘルス からなる。

 

P.18 第4章「HIV陽性者と子ども」参照

http://futures-japan.jp/admin/wp-content/uploads/Web_1p.pdf

「たんぽぽ」(2015年3月 東京都発行)

HIV陽性告知を受けたばかりの人のための冊子。HIVの基礎知識、福祉制度、社会生活、プライバシー、セックス、子どもをもうけて子育てをすることについてなど幅広く取り上げられられている。さまざまなHIV陽性者の手記も掲載。(制作協力:ぷれいす東京/編集・発行:東京都福祉保健局)
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/koho/kansen.files/tanpopo.pdf

大阪版神奈川県版千葉県版愛知県版秋田県版島根県版もある。

SUNSTAR -Live Positive-

世界各地でHIVとともに生きる数名の女性たちによるエッセイ集が書き綴られている。サンスターの社会貢献活動として提供されている。
http://jp.sunstar.com/csr/society/livepositive/

[女性陽性者の質問]

Q1:妊娠中の検査でHIV+と言われました。おなかの子どもはどうなってしまうのでしょうか?(ぷれいす東京「HIV/エイズ よくある質問・みんなの回答集」)

妊娠・出産経験のある女性陽性者数名が自分の体験をもとに書いアンサーと、ぷれいす東京の相談員によるアンサーが掲載されている。
http://www.ptokyo.org/faq/Q/256

JaNP+女子会 (日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス)

不定期に開催されている女性のHIV陽性者限定のティー・パーティ。HIVに関するテーマはもちろん、仕事、恋愛、結婚、妊娠、出産、育児など話題はさまざま。
http://www.janpplus.jp/project/interchange/

CHARM [HIV陽性の人のためのサポート] 女性交流会

HIV陽性の女性による対面相談、小グループミーティング、年一度の女性交流会を開催している。
http://www.charmjapan.com/group

異性愛者のための交流ミーティング(ぷれいす東京・ネスト・プログラム)

出会うことが難しい異性愛のHIV陽性者同士のための交流ミーティング。性別、年齢を問わない。基本的に毎月第3金曜の夜に行っている。
http://www.ptokyo.org/nest/hetero

Women’s Salon(ぷれいす東京・ネスト・プログラム)

女性HIV陽性者同士が安心して情報交換や交流ができるような機会として、ゲストを招いたり、お茶を飲みながらフリートークをしたりする。
http://www.ptokyo.org/nest/womenssalon

ピア+トーク (ぷれいす東京・ネスト・プログラム)

さまざまな経験をもつHIV陽性者を迎えて話しを聞くイベント。出産経験者、 障害枠で就職した人、キャリチェンジした人、薬物依存からの回復経験者など。
http://www.ptokyo.org/nest/peerplus

キーワードで探す→ 伝える・伝えない パートナー 家族 子どもをつくる 妊娠・出産・子育て 女性 ヘテロセクシュアル(異性愛)男性

 

2.子どもをつくることについて考えてみる

女性がHIV陽性の場合

自然妊娠(性行為による妊娠)を望む場合、パートナーへの感染リスクがあります。抗HIV薬の服薬によってウイルス量を下げ感染リスクを減らすことが可能ですが、リスクがゼロになるわけではありません。パートナーと十分に話し合うと良いでしょう。

一部の医療機関では、人工授精を実施しています。人工授精と体外受精を混同している人もいますが、まったく異なるものです。人工授精は、男性の精液を採取してカテーテルという細い管を使って子宮に直接注入する方法のことですので、パートナーへの感染リスクはありません。(※体外受精は、女性の体内にある卵子を体外に取り出して、精子と受精させ培養してある程度まで細胞の数が増えた段階で体内に戻す方法。)

人工授精という選択肢もありますし、お互いに話し合ったうえで、ある程度のリスクを受け入れて自然妊娠をしている場合もあります。HIVの服薬治療と妊娠の兼ね合いなどもあるため、本来は事前にHIVの専門医に相談をすると良いでしょう。

リンク先の表示/非表示

「女性のためのQ&A 貴女らしく明日を生きるために」

女性HIV陽性者向けに、日常生活だけでなく妊娠・出産・育児に関する注意すべきポイントや福祉制度・サポート情報などもまとめられている。(編集発行:平成26年度厚労科研「HIV母子感染の疫学調査と予防対策および女性・小児感染者支援に関する研究」班 )

P.16 [Q10:妊娠・出産はできるでしょうか?] 参照
http://api-net.jfap.or.jp/library/guideLine/boshi/images/2015_patient.pdf

ポジティブなSEX LIFE ハンドブック(2015年3月発行)

HIV陽性者がセックスライフをどのように過ごしていったらいいかを考えるヒントを、いくつかのポイントに整理して書かれている。セックスの相手との関係/セーファーセックス/妊娠・出産/依存症・アディクション/医療機関でセックスの相談など。Futures Japan ~HIV陽性者のためのウェブ調査~(第1回)の結果も一部紹介されている。(厚労科研「HIV感染症及びその合併症の課題を克服する研究班」)

 

第6章「妊娠・出産」(P.33)
http://www.haart-support.jp/pdf/h26_positive_sexlife_handbook.pdf

キーワードで探す→ 女性 子どもをつくる

 

男性がHIV陽性の場合

男性がHIV陽性の場合、女性のパートナーへの感染を防ぎながら子どもをつくるために、採取した精液内のHIVを分離除去したうえで体外受精をする方法が、技術的には確立されていると言われています。女性の身体の中にある卵子をいったん体外に取り出して、男性の精液を洗浄してHIVを取り除き、精子のみにしてから卵子と受精させ、そのまま体外で培養して、ある程度まで細胞の数が増えた段階で、女性の身体の中に戻すという方法です。

しかし、もともと人工授精にくらべて体外受精は肉体的にも精神的にも負担が大きいうえに、HIVの分離除去の実施に関して、日本でのハードルは低くありません。まずは、HIVの専門医に相談をしてみることで活路が見いだされるかもしれません。

リンク先の表示/非表示

ポジティブなSEX LIFE ハンドブック(2015年3月発行)

HIV陽性者がセックスライフをどのように過ごしていったらいいかを考えるヒントを、いくつかのポイントに整理して書かれている。セックスの相手との関係/セーファーセックス/妊娠・出産/依存症・アディクション/医療機関でセックスの相談など。Futures Japan ~HIV陽性者のためのウェブ調査~(第1回)の結果も一部紹介されている。(厚労科研「HIV感染症及びその合併症の課題を克服する研究班」)

 

第6章「妊娠・出産」(P.33)
http://www.haart-support.jp/pdf/h26_positive_sexlife_handbook.pdf

荻窪病院 よくあるご質問 「HIV感染の方の体外受精に関して」

精液からのHIV除去方法や体外受精についての説明が分かりやすく書かれている。
※現在の実施状況の説明ではないので、あくまでも情報整理のための参考としていただきたい。
http://www.ogikubo-hospital.or.jp/faq.html#2

 

3.日本では母子感染が少なくなっている

母子感染については、1990年代以前の古い情報や、開発途上国での医療環境が整っていない状況を前提とした情報が混在していることがあります。そのため、勘違いをして理解している場合もあり、最初から子どもを産むことをあきらめてしまっているケースもあります。どのような状況のもとで、どのような立場の人が、いつ情報発信しているのかといったことに注意して情報収集すると良いでしょう。

日本では、適切な母子感染の予防策をとることで、母子感染率は0.5%以下になると言われています。母子感染が受精時や妊娠中に起きると誤解している人もいますが、実際には、分娩中に産道で赤ちゃんが母親の血液に触れた場合や、母乳を与えた場合などに限られています。そのため、例えば、母親があらかじめ抗HIV薬を服用してウイルス量を下げたり、赤ちゃんを人工乳で育てたりするなどの方策がとられています。

しかし、どの医療機関でも同じようにHIVの最新情報や、HIV陽性の妊婦の出産経験を豊富に持っているわけではありません。ある程度の情報を収集して、より良い医療を選択ができるようにしましょう。そのためにNGOや保健所などに相談窓口を利用することもできます。

また、妊娠中の検査でHIV陽性とわかった場合にも、産婦人科医だけでなく、なるべく早い段階でHIVの専門医を受診することが重要です。

リンク先の表示/非表示

[女性陽性者の質問]

Q1:妊娠中の検査でHIV+と言われました。おなかの子どもはどうなってしまうのでしょうか?(ぷれいす東京「HIV/エイズ よくある質問・みんなの回答集」)

妊娠・出産経験のある女性陽性者数名が自分の体験をもとに書いアンサーと、ぷれいす東京の相談員によるアンサーが掲載されている。
http://www.ptokyo.org/faq/Q/256

「女性のためのQ&A 貴女らしく明日を生きるために」

女性HIV陽性者向けに、日常生活だけでなく妊娠・出産・育児に関する注意すべきポイントや福祉制度・サポート情報などもまとめられている。(編集発行:平成26年度厚労科研「HIV母子感染の疫学調査と予防対策および女性・小児感染者支援に関する研究」班 )

P.18~P.22 [Q11:母子感染を防ぐにはどうすればいいのですか?] 参照
http://api-net.jfap.or.jp/library/guideLine/boshi/images/2015_patient.pdf

キーワードで探す→ 妊娠・出産・子育て