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セックスについて不安を感じている人へ
2023年6月更新
HIV陽性とわかってから、セックスをするのが怖くなったり、うしろめたい気持ちになったり、面倒だと思うようになったりする人もいます。性欲が減退するひともいますし、特に変化はない人もいます。
HIVは無防備なセックスによって感染する可能性がある病気ですが、HIV陽性者がセックスをすることはまったく悪いことではありません。ちょっとした工夫で安心してセックスをすることができる人もいます。やはりその気になれないと言う人もいるでしょう。
セックスが自分にとってどのくらい大事なことなのかも、ひとそれぞれ異なります。自分なりのペースで自分らしいセックスをとりもどせることを願って、いくつかのポイントをまとめてみました。
1.HIV陽性者の多くがセックスをしている
HIVは長期療養が可能な病気になり、陽性とわかる以前と同じような生活を続けている人が多くなりました。HIV陽性者のセックスについて調べたデータはあまり多くありませんが、8割の人がHIV陽性とわかってからセックスをしたことがあると回答している調査結果があります。一方で、セックスの頻度、相手の数、セックスの仕方が変化した人が多くいるということもわかっています。なんらかの変化がありながらも、HIV陽性者の多くがセックスをしていると言っていいでしょう。
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U=U JAPAN PROJECT
現在では、治療方法が進歩した結果、抗HIV薬の治療により6ヶ月以上続けてウイルス量を検出限界値未満まで抑えているHIV陽性者からは、セックスでの他の人へのHIV感染はゼロになるということが明らかになり、効果的な治療を受けていれば、セックスで他の人にHIV感染しないことが世界的に認められています。これをU=U(Undetectable = Untransmittable・検出限界値未満では感染しない)と呼びますが、とてもわかりやすく解説されています。
HIVは治療をすればうつらない?解説「U=U」
U=Uについて概説するとともに、具体的にどういった場合にU=Uと言えるのか、どのような科学的根拠に基づいてこのようなメッセージが出されるに至ったのか、U=Uは何を意味するのかがわかりやすく説明されています。(ジャンププラス)
U=U の HIVの新常識を知ろう
Q. U=Uとは?
A. HIVの新常識!
効果的な治療を続けていれば、
セックスの相手に感染しません。
Q&A形式でわかりやすくU=Uにまつわることがらを説明し、関連リンク集が掲載されています。
企画・編集・発行 特定非営利活動法人akta/制作協力 特定非営利活動法人日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス、認定特定非営利活動法人ぷれいす東京、ヴィーブヘルスケア株式会社
Futures Japan 第3回調査結果サマリー(概要)
「2019年から20年に実施されたFutures Japan ~ HIV陽性者のためのウェブ調査~」(第3回)の分析結果の概要です。
この調査結果から、HIV陽性者の方々が全体としてどんな状況にあるのか、どんなふうに変わってきているのかを知ることができます。
第4章「恋愛・性の健康について」(P.36~P.49)
性生活| 特定の付き合っている人・配偶者との関係 | 恋愛に関する経験 | 主な相手と知り合った場所 | その場限りの相手とのセックス | 特定のセックスパートナーとのセックス | セックスに関連した諸経験:性感染症 |など
https://survey.futures-japan.jp/doc/summary_3rd_all.pdf
冊子「第2回 HIV陽性者のためのウェブ調査 調査結果」
「Futures Japan ~ HIV陽性者のためのウェブ調査~」(第2回)の分析結果をもとに、目で見てわかりやすく、利用しやすいツールとして作成された冊子。HIV陽性者の健康状態、通院、恋愛と性の健康、薬物使用、心の健康、社会のスティグマ、日常生活など幅広い。
第4章「恋愛・性の健康について」(P.20~P.24)
性生活| 特定の付き合っている人・配偶者との関係 | 恋愛についての考え | その場限りの相手とのセックス | 特定のセックスパートナーとのセックス | セックスに関連した諸経験:性感染症 |など
https://survey.futures-japan.jp/doc/Futures_2nd_page.pdf
グラフで見る 第1回 Futures Japan 調査結果
「Futures Japan ~ HIV陽性者のためのウェブ調査~」(第1回)の分析結果をもとに、目で見てわかりやすく、利用しや すいツールとして作成された冊子。HIV陽性者の生活、通院、セックス、アディクション(依存)、メンタルヘルス、人間関係など幅広い。
第6章「セクシュアルヘルス」(P.22~P.26)
陽性とわかってからのセックス| 多様なセックス | 相手との関係 | 性の健康と相談 |など
http://survey.futures-japan.jp/doc/Futures_page_v2.pdf
HIV陽性者の視点で読み解く長期療養時代
6章「周囲の人たちとの関係」
http://chokiryoyo.ptokyo.org/contents_6.html
データで見る、ゲイバイセクシャルとHIV/エイズ情報ファイル(HIVマップ )
ゲイ・バイセクシュアル男性とHIVの現状を知るための情報がまとめられている。さまざまなデータをグラフにして解説してたり、コラムや手記なども掲載。HIVの基礎知識、流行状況、コンドーム使用率や検査経験、HIV陽性者の生活など幅広い。
http://hiv-map.net/file/
キーワードで探す → 陽性者のセックス
2.HIVの感染力は強くない。知識を整理して行為別にリスクを考える。
HIVはセックスで感染しますが、いくつかの限られた「体液と粘膜」、「粘膜と粘膜」が触れるときにのみ感染の可能性があり、その可能性は比較的高いものから、ほとんどゼロに近いものまであります。また、それぞれの行為を「する/される」によっても、射精の有無によってもリスクが異なります。さらに、粘膜の状態、他の性感染症にかかっているかどうか、HIV陽性者が持っているウイルスの量(HIV RNA定量)などによって差があると言われています。
HIV感染はコンドームを使うことで防ぐことができますが、最近はコンドームを数あるHIV予防方法のひとつのアイテムと位置づける考え方になってきました。また、治療方法が進歩した結果、抗HIV薬の治療により6ヶ月以上続けてウイルス量を検出限界値未満まで抑えているHIV陽性者からは、セックスでの他の人へのHIV感染はゼロになるということが明らかになり、効果的な治療を受けていれば、セックスで他の人にHIV感染しないことが世界的に認められています。これはU=U(Undetectable = Untransmittable・検出限界値未満では感染しない)とも呼ばれます。
また、HIV陽性ではない人が抗HIV薬を飲むことでセックスでのHIV予防をするという方法(PrEP・プレップ)の研究も日本ではじまりました。
これらを自分なりに整理して考えることで、必要以上に神経質にならずに、必要な感染防止をしながらセックスができる方法を見つけていきましょう。
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HAVE A NICE SEX ―HIV感染のメカニズム[理論編・実践編](2016年10月版)
HIVの感染のメカニズムを理論編と実践編でわかりやすく解説している。HIV陽性/陰性/どちらかわかない人など、誰でもが役に立ち、自分なりのセーファーセックスができるよう、基礎知識から具体的な知恵まで幅広い。また、HIV(エイズウイルス)の量と感染しやすさの関係や、HIVと性感染症の密接な関係についてなどの情報も掲載されている。(企画・制作:特定非営利活動法人akta)
「あなたと、あなたのイイひとへ。」(2014年版)
HIV陽性が分かってからも、自分と自分の相手をお互いに守りながら生活やセックスを楽しむことができるようにと製作された冊子。感染経路、セーファーセックスのガイドライン、異性や男性同士のセックス、他の性感染症、日常生活についてなど、Q&Aとコラムで丁寧に説明している。 (編集・制作:大阪医療センター HIV/AIDS先端医療センター)
「女性のためのQ&A 貴女らしく明日を生きるために」(2015年3月発行 第4版)
女性HIV陽性者向けに、日常生活だけでなく妊娠・出産・育児に関する注意すべきポイントや福祉制度・サポート情報などもまとめられている。(編集発行:平成23年度厚労科研 HIV感染妊婦とその出生児の調査・解析及び診療・支援体制の整備に関する総合的研究班)
http://api-net.jfap.or.jp/library/guideLine/boshi/images/2015_patient.pdf
3.他の性感染症について理解する
HIV陽性だとわかると、セックスの相手にHIVをうつさないようにすることばかりを考える人がいます。しかし、相手から性感染症(STD)が自分に感染する可能性も考える必要があります。自分から相手に感染をする可能性もあります。感染しやすい行為がHIVとは異なる性感染症もありますので、やはり行為ごとに知識を整理しておくと安心です。性感染症の多くはコンドームで予防することができます。
HIV陽性者が性感染症にかかった場合、陽性でない人よりも治療に時間がかったり、より重い症状になったりすることがあります。HIV陽性者同士でセックスをする場合も、こういったことを理解しておくことが大切です。
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梅毒にご用心2021(NPO法人akta)
ゲイ・バイセクシャル男性の間で流行している梅毒について、その症状や検査、予防方法などをわかりやすく説明している。
「性病リスク・セルフチェック」
あなた自身の行為や性別をもとにリスクのある性感染症をチェックし、その内容を知ることができるWebサービス。
いま思い当たる症状がない方でも、“自分にとって”感染する可能のある性感染症について、“事前に”正しく知ることができる。
予防方法だけでなく、自分が定期的に検査を受けておく必要のある性感染症は何かを把握し、感染して症状が出た場合でも落ち着いて治療やその後の生活について考えられるような情報を提供することを目指している。
https://std-check.jp
冊子「第2回 HIV陽性者のためのウェブ調査 調査結果」
「Futures Japan ~ HIV陽性者のためのウェブ調査~」(第2回)の分析結果をもとに、目で見てわかりやすく、利用しやすいツールとして作成された冊子。HIV陽性者の健康状態、通院、恋愛と性の健康、薬物使用、心の健康、社会のスティグマ、日常生活など幅広い。
第4章「恋愛・性の健康について」(P.20~P.24)
性生活| 特定の付き合っている人・配偶者との関係 | 恋愛についての考え | その場限りの相手とのセックス | 特定のセックスパートナーとのセックス | セックスに関連した諸経験:性感染症 |など
https://survey.futures-japan.jp/doc/Futures_2nd_page.pdf
SAFER SEX info
MASH大阪が提供するセクシャルヘルス応援サイト。HIVや様々な性感染症について、病名別・行為別で調べることができる。
http://www.safersex.jp/
「Male STDs Action Guide-男子のためのSTDハンドブック-」(2015年12月版)
男性に多くみられる性感染症(STD)の特徴的な症状を、患部の写真とともに紹介している冊子。STDにかかってしまったかもしれない人や、STDのことをもっと知りたい人を対象に情報を提供している。(編集協力:しらかば診療所/発行:ヴィーヴヘルスケア株式会社)
http://glaxosmithkline.co.jp/viiv/healthcare/download.html#STDhandbook
HAVE A NICE SEX ―HIV感染のメカニズム[理論編・実践編](2016年10月版)
HIVの感染のメカニズムを理論編と実践編でわかりやすく解説している。HIV陽性/陰性/どちらかわかない人など、誰でもが役に立ち、自分なりのセーファーセックスができるよう、基礎知識から具体的な知恵まで幅広い。また、HIV(エイズウイルス)の量と感染しやすさの関係や、HIVと性感染症の密接な関係についてなどの情報も掲載されている。(企画・制作:特定非営利活動法人akta)
性感染症 予防啓発マニュアル
性感染症についてわかりやすく解説した冊子。主な性感染症の症状と治療法などを掲載。性の健康医学財団運営。
https://www.jfshm.org/doc/seikansensho-yoboukeihatsu-manual.pdf
Women’s Health(ウーマンズヘルス)
からだやこころ、性・妊娠・出産など、女性の健康に関する総合サイト。かしこい患者学、知っておきたい女性のからだ、ドクター相談室Q&A 、などがある。別に、女の子のための携帯サイトGirls’s Naviがある。日本家族計画協会運営。
http://www.jfpa.info/wh/
イボイボコミュニケーションスタジオ(コンジローマ情報サイト)
尖圭コンジローマの情報サイト。男女別のセルフチェック、症状の解説や治療方法、再発についてなど、発見から治療後に気になることまで幅広く網羅されている。(持田製薬提供)
http://www.mochida.co.jp/ibonnu/
性器ヘルペスにお悩みの方へ
性器ヘルペスの症状や再発する原因、病院での性器ヘルペス治療法・薬を解説。症状やライフスタイルに合った治療法も探せる。(マルホ株式会社提供)
https://www.maruho.co.jp/kanja/herpes/genital-herpes/
4.セックスについて話す/自分なりのガイドラインをつくる
安心してセックスを楽しむためには、一般的な情報整理をするだけでなく、自分のセックスにあてはめてなるべく具体的に考えてみると良いでしょう。そこではじめてリアルにイメージができて安心できる人もいるでしょうし、あらためて疑問や不安が浮かぶ場合もあります。
なるべく、一人で考え込まずに、誰かと話をしてみましょう。同じようなことで悩んでいるHIV陽性者もいるかもしれませんし、気の許せる友人に話すことができる人もいるでしょう。セックスやセクシュアリティに理解のある医療従事者に話してみたり、NGO・NPOなど相談機関を利用したり、ワークショップに参加するなど様々な方法があります。
セーファー・セックスのガイドライン(目安)を、セックスをする相手と話し合いながら作ることができれば良いですが、そのようなことが必ずしもできるとは限りません。その場合、少なくとも自分自身が納得できるガイドラインを作ってみてはいかがでしょう。
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Living with HIV ~身近な人からHIV陽性と伝えられたあなたへ~
HIV陽性者のパートナー、家族、友だち、職場の仲間とHIV陽性者による計24編の手記と、基礎知識やデータを取りまとめたコラムで構成されている。Webサイト版/冊子版があり、冊子はをWebサイト内より申し込むと無償配布される。(制作:ぷれいす東京)
http://lwh.ptokyo.org/
[人間関係・恋愛・SEX]
Q6:オーラルセックスのときにいつもどのようにしたらいいかとまどってしまいます。みなさんはどうしてますか?自分なりのガイドラインがありますか? (ぷれいす東京「HIV/エイズ よくある質問・みんなの回答集」)
http://www.ptokyo.org/faq/Q/232
Q8:セックスを安心して楽しむために、皆さんはどうしていますか? (ぷれいす東京「HIV/エイズ よくある質問・みんなの回答集」)
http://www.ptokyo.org/faq/Q/230
キーワードで探す → 陽性者のセックス セクシュアルヘルス ピアサポート(陽性者向け)
5.セックスをする相手に伝える?伝えない?
セックスをする相手に、自分がHIV陽性であることを伝えるか伝えないかについて迷ったり悩んだりする人は少なくありません。相手との関係性や気持ちもいろいろでしょうし、セックスをすでにしているかしてないか、相手にどれくらい知識やリアリティがあるか、自分のプライバシーは守られるかなど、さまざまなことがら関係しますし、そのとらえ方もひとそれぞれです。人によって異なりますが、他の陽性者はどのようにしているかを知ることが役に立つことがあります。実際にHIV陽性者同士で会って話してみるのもよいでしょうし、ブログ、SNS、手記集などで体験を読んだりすることもできます。
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Living with HIV ~身近な人からHIV陽性と伝えられたあなたへ~
HIV陽性者のパートナー、家族、友だち、職場の仲間とHIV陽性者による計24編の手記と、基礎知識やデータを取りまとめたコラムで構成されている。伝える・伝えられるというそれぞれの気持ちに触れることができる。Webサイト版/冊子版があり、冊子はをWebサイト内より申し込むと無償配布される。(制作:ぷれいす東京)
http://lwh.ptokyo.org/
Ferry -フェリィ-
ゲイのHIV陽性者のための招待制ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)。
http://ferrysns.web.fc2.com/
[人間関係・恋愛・SEX]
Q2:セイファーセックスをする場合でも、相手に対してHIVの感染を告げるべきでしょうか。 (ぷれいす東京「HIV/エイズ よくある質問・みんなの回答集」)
http://www.ptokyo.org/faq/Q/236
6.セックス依存症かなと思ったら
依存症にはさまざまなタイプがあると言われています。アルコールやドラッグ(薬物)のように脳神経に作用する物質に依存したり、ギャンブルや買い物といった行為に依存したり、対人関係に依存したりする場合もあると言われています。
もしも、自分がセックスという行為や対人関係に依存かもしれないと思い、それによって何らかの生きづらさを感じている場合には、自分ひとりで考え込まずに、信頼できる人に話しをしてみたり、専門家に相談したりすると良いでしょう。まずは、自分がセックス依存症なのかどうかをセルフチェックをしてみるのも良いでしょう。
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SA-JAPAN
セックスアホーリクス・アノニマス、つまり性依存症者向けの団体であり、性的な渇望をやめ、性的にしらふになりたいという願いを持つ人の集まり。不倫を続ける、性風俗に通う、DVや性的虐待がやめられない、ストーカー行為、不特定多数の人たちとの恋愛、アダルトサイトを見続ける、援助交際、痴漢・窃視・盗撮・性的な犯罪行為などを含み、性の対象は同性・異性を問わない。ミーティング情報や性依存症かどうかセルフチェックできるページもある。
http://www.sa-japan.org/
SCA (Sexual Compulsives Anonymous)
SCA(全ての性的指向を含む、性的強迫症から回復したいと願っているあらゆる人に対して開かれているミーティング)の解説とミーティング情報を紹介している。乱交、ハッテン場通い、出会い系、風俗、不倫、恋愛依存、テレクラ、援助交際、ロリコン、のぞき、痴漢などを想定しているが、性依存症ではなく、性的強迫症としてとらえているところがSAと少し違う。ミーティング情報や性的強迫症かどうかセルフチェックできるページもある。
http://www.sca-japan.org/
アディクションに関するご相談 [LGBTと周囲の人のための相談一覧](QWRC)
薬物依存、アルコール依存、ギャンブル依存、摂食障害などのLGBTが電話相談や面談ができる関西地域の機関のリスト。
http://www.qwrc.org/soudan/soudan.html#01
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